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HGUC F2 ザク センチネル版 #2 ザクマシンガンを(ほぼ)完全再現してみた

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HGUC F2 ザク センチネル版 #1 そもそも「プラモデル」とは何なのか?

2020年2月2日HGUC F2 Zaku (Sentinel 0079), 雑記F2 ザク, ガンダムセンチネル

「ソックリさん」現象

 テレビ番組のコーナーにたびたび出てくる、

 話題の某俳優にソックリな一般人。

 でもいざ顔を見て、俳優本人を思い浮かべると

 「ソックリだけど、ナンカ似てない」

 という、一見すると矛盾した感想を持つことがある。

 顔のパーツはほぼ似ているけど、何というか…そう、雰囲気が違う。

 そういう、ややありがちなのか、そうでないのか、微妙な現象に出くわす。

 「ソックリさん」の見たあとの微妙なあの感じ。

似ていないと話にならない模型業界

 こと、模型業界ではこの「ソックリさん」現象は実に深刻な問題だ。

 人だけではなく、車にも、バイクにも「顔」がある。

 その車やバイクの模型がソックリさんレベルだと、非常にマズイ。

 「本物」を求めているマニアからすれば、買わない、という選択肢も出てくる。

 プラモデルのメーカーにとって「ソックリさん」現象は死活問題にも発展するのだ。

アレンジするという常識はずれのメーカー「タミヤ」

 ただ、模型業界の中で、それをすり抜けた、というか上手くやってのけた会社が少数存在する。

 まず、有名なプラモデルメーカーの「タミヤ」がそうだ。

 車にしても、忠実に再現しているように見えて、アレンジしている。 実物通りには作らず、勝手に寸法を変えてしまっているのだ。

 実物通りに作らないという、模型のメーカーとして、普通ならあり得ないことをやっているにも関わらず、どうしてタミヤは人気メーカーであり続けるのか?

 

 何故なら、そのアレンジこそ、「本物」らしく見せる技術だからだ。

 もし、模型を実物通りに再現すると、当然小さいので上から見下ろす形になる。

 

 ここで一つのズレが起きてしまう。

 

 実物の車は横から見ているので、頭の中の車のイメージは横から見ている姿になる。

 その時のイメージと見下ろす姿とでは、見え方が全く違ってしまう。

 それが原因で、実物通りに作ったのに、似ていないという現象が起きてしまうのだ。

 普通あり得ない実物のアレンジも、実はより本物らしく見せる、という意図あってのことなのである。

 

もはや別物レベルの模型を作る大手の「バンダイ」

 一方、「似ていない」レベルの模型を作ったにも関わらず、大きく成長したプラモデルメーカーも存在する。

 

 それが「バンダイ」だ。

 元々のイラストに比べると、もはや別物といっても良いほど、オリジナルのアレンジをする模型メーカーはバンダイくらいだろう。

 

 ことあるごとに何度も繰り返しプラモデルになるガンダムですら、最初のイラストにソックリなものは一つもない。

 それでも、ガンダムそのものの人気の後押しで、一気にトップクラスのメーカーとして注目されているバンダイ。

 

 その後も、実物通りに模型を作るという常識を破ることで、ニーズに合わせてデザインそのものをアレンジして成長してきたが、一方でオリジナルのアレンジは度々トラブルを起こしてきた。

 

リアルさとガンプラの間にある矛盾と問題

 ガンダムが絶大な人気を得たのは、今までにないリアルさにある、という話は何度も聞かれた。

 

 ガンプラが社会的なブームになったあと、そのままプラモデルとしての人気も落ち着きを見せていたが、再び、人気に火をつけたのはプラモデルを扱う雑誌、モデルグラフィックスから出た一つの企画だった。

 それこそが、ガンダムセンチネルである。

 そこでの盛り上がりを生んだ理由もまた、リアルさだったのである。

 

 その中の一つとして、ザクをリアルなデザインに塗り替えたタイプが存在する。

 それが今回の記事で取り上げる、F2 ザクと言われるタイプだ。

 

 元々はガンダムセンチネルという企画から出たザクで、当時の公開から数十年経った今でも、当時の作品やイラストの再現をする人は後を経たない。

 しかしここで、普通のプラモデルメーカーなら起こらない問題が生まれる。

 かつてない程の大きな、メーカーとお客、ファンとファン同士のありとあらゆる対立である。

 

 ガンダムセンチネルを企画した雑誌、モデルグラフィックスも例外ではなく、裁判にまで発展するトラブルを生んだ。

 

 そんないさかいの後で発売されたプラモデルは、リアルさが売りのガンダムセンチネルのキットはどれもリアルさとは程遠い出来であり、プラモデルのメーカーとしてのバンダイが作る、「似ていない」キットと非常に相性が悪かったのである。

 

 その結果が積み重ねられたのか、ガンダムそのものが、大きな人気の片方で、いつまでも不満がくすぶる、すぐに荒れる非常に近寄りがたいコンテンツと化していた。

 

 その後、ガンダムのアニメは何度も路線を変えていき、様々な種類のデザインがプラモデル化されたが、社会的なブームにまで至ることなく、有名なタイトルに反して新しいものは常に非難される村社会のような状況がいつまでも続いている。

 

 純粋な娯楽として楽しむ、プラモデルという趣味に暗い影を落としているのは、言うまでもない。

 

 ここで、プラモデルとしての原点に戻ろうと思う。

 

 センチネルのザクのほぼ完全な再現

 

 これまで、プロアマ問わずセンチネルのザクは作られたが、「ソックリさん」はあれど、模型として完全にバランスまで再現されている作品は今まで見たことがない。

 

 そして、散々引っ張ったザクのデザインがこれ。

 これをぜひほぼ完全なレベルまで再現したい。

 上の画像はネット上で公開されている塗り絵を元に塗ってみたものだ。(カラーリングは自分のオリジナル)

 この画像とキットは似ているようで、実は見比べるとそれぞれ少しずつ違っている。

 この微妙な違いを完全に再現した作品は調べた限りでは未だにない。

 当時の作例ですら、再現しきれていないのだ。

 中でも再現されているのを見たことがない部分がある。

 それがコレ。赤い丸のここ。

ザク 脚部
ザク 胸部2

 この赤い線の部分を正確に再現した作品は見たことがない。

 

 このライン通りに再現するとなると、両脇のブロックの形はやや複雑な三次曲面を描く。

 そんなことを気にするの…?と思うかもしれないが、普通は全く注目しない部分にこだわるというのも、一つの醍醐味なのだ。

 

 そしてこれが、そもそもの娯楽としてのプラモデルを作る個人的な第一歩となる。

 

 まだほかにも見過ごされている所がある。脚のラインだ。

 

 この折れ曲がった脚のラインはザクⅡ改のものとよく似ている。

 F2 ザク(またはセンチネルのザク)は、ザクⅡ改を参考にデザインされたのだが、このラインはその事をよく表している。

 なのでキットを改造するよりも、ザクⅡ改のキットから作ったほうが近道だ。

 実はこのザクⅡ改のガンプラは散々似ていないと言われてきたものだが、良く見ると企画された時点でのデザインを再現しようと努力した跡がみられる、中々頑張っているキットでもある。

 腕もそうだ。元のガンプラのF2 ザクの腕は少しだけ太すぎる。

 正確に再現するには、実はザクⅡ改のパーツを使うほうが早いのだ。